伊調馨 海外復帰戦準決敗退で露呈した“崖っぷち”の中量級
五輪4連覇中の女王が、アジアの壁に阻まれた。
26日のレスリングアジア選手権(中国・西安)。伊調馨(34)が女子57キロ級準決勝で、チョン・ミョンスク(北朝鮮)に4―7で敗退。ベトナム選手との3位決定戦を制したが、2016年リオ五輪以来2年8カ月ぶりの国際大会で頂点に立てなかった。
韓国選手にテクニカルフォール勝ちした2回戦では終了間際に相手の頭が当たって前歯が欠けるアクシデントに襲われた。応急処置を施す間もなく臨んだ準決勝は終始、劣勢。序盤にいきなりバックを取られるなど、第1ピリオドは1―7とリードを許した。逆に第2ピリオドは積極的に仕掛けて2点を返したが、及ばなかった。
この階級の東京五輪代表は実質的に伊調と、リオ五輪63キロ級金メダルの川井梨紗子(24)の2人に絞られる。6月の全日本選抜選手権で世界選手権(9月=カザフスタン)代表を争い、その世界選手権の覇者が、東京五輪代表に内定する。
過去の実績から伊調、川井のどちらが出ても、金メダル取りは確実とみられてきたものの、今大会でアジア勢のレベルアップが証明された。