指導者転身せず? レスリング吉田沙保里の気になる引退後
霊長類最強女子が、ついにマットを去る。
五輪、世界選手権合わせて16大会連続で頂点に立った女子レスリングの吉田沙保里(36)が昨8日、自身のツイッターで「33年間のレスリング選手生活に区切りをつけることを決断しました」と現役引退を表明した。
吉田は銀メダルに終わった16年リオ五輪を最後に休養し、進退を明らかにしないまま女子日本代表のコーチを務めていた。
タレント活動の傍ら、世界選手権や全日本選手権などのテレビ中継の解説を務めるなど、女子レスリングの広告塔としての役割もこなしてきた。
五輪5個目のメダルがかかる20年東京五輪開幕まで2年を切ったいま、引退を表明したのは引き際を痛感したからだという。
リオ五輪後、女子中量級は若手が台頭。昨年10月の世界選手権(ブダペスト)の55キロ級を制した向田真優(21=至学館大)は吉田の後継者と位置付けられ、東京五輪でも金メダルが有力視されるまでに成長した。
「リオ五輪後は競技から遠ざかり、全日本合宿で若手のスパーリングパートナーを務める程度。本格的な練習もしてこなかった。東京五輪を目指して練習を再開しても、五輪どころか国内選考会を勝ち抜くのさえ厳しいのが現実です。最近では若手の練習相手を務めた後に『しんどい』とこぼすなど、体力の衰えを口にすることも珍しくない。レスリングの手ほどきを受けた父・栄勝さん(故人)からは常々、『アスリートは旬の時期にやめなければならない』と言われてきた。父親の遺志もあって、生き恥をさらすより、潔く身を引くべきと判断したのでしょう」(レスリング関係者)