サヨナラ打の西武・中村 “好物”交流戦で年俸再アップ狙う
交流戦を得意にしているだけのことはある。
4日、4時間半近いロングゲームに終止符を打ったのが、西武の中村(35)だ。「6番・三塁」でスタメン出場し、延長十二回、無死満塁の場面で、広島の菊池保から左前にサヨナラタイムリー。歓喜のナインに祝福の水を浴びせられた。
お立ち台では、「山川が打って、トノ(外崎)が三塁に行った瞬間、(5番の)森は敬遠だなと思っていた」 と振り返り、「(交流戦の)初戦は僕のサヨナラヒットで勝てたと思うんで、いい流れでいけると思います」と話した。
中村は交流戦にめっぽう強い。「おかわりくん」の愛称がついたのも、2005年の交流戦でブレークしたからだ。交流戦の最多本塁打に輝くこと4度。同通算72本は、歴代トップの成績だ。
中村は年俸4億1000万円の複数年契約が2017年に切れ、同年の契約更改で大幅ダウンとなる単年2億8000万円にサインをせざるを得なかった。昨季は28本塁打、74打点、打率.265と活躍したとはいえ、ケガで序盤を棒に振り、出場試合は97。ただでさえ高額年俸だけにさらなるダウンは免れないと思いきや、中村は海外FA権を行使し、宣言残留。球団としても功労者の中村をムゲにはできず、現状維持の1年契約を結んだ。
海外FA権という“ジョーカー”を切った以上、年俸ダウンに歯止めをかけられるのは自身のバットのみ。近年は後継者の山川にお株を奪われた感もあるが、今季も8本塁打、33打点と打棒は衰えていない。活躍次第では、年俸ダウンどころか再アップも狙えるかもしれない。