著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

投げるだけの始球式より「過去の名珍場面」を懐かしみたい

公開日: 更新日:

 プロ野球の試合前に実施されるファンサービスイベントといえば、今も昔も始球式がもっとも一般的だろう。往年の名投手が懐かしいユニホーム姿で懐かしいピッチングフォームを披露したり、人気タレントやちびっこファンが球場に花を添えるべく登場したり、その形態はさまざまだ。

 今季も数々の始球式が行われてきた。大きな話題を集めたところでいえば、6月8日の巨人VSロッテ戦では現役の警視総監である三浦正充氏が始球式で見事なノーバウンド投球を披露しただけでなく、「テロを許さない街づくり」と掲げたパレードも実施。

 また、6月4日の楽天VS巨人戦では、楽天の石井一久GMから「始球式を予定していた子供が高熱で投げられなくなったから」という理由で代役をお願いされたダウンタウン浜田雅功が登場。しかし、これは石井GMによるドッキリで、浜田がグラウンドに現れるとマウンドには投げられないはずの少年が元気にスタンバイしており、浜田は結局投げずじまい。それでも、超大物芸人のサプライズ登場に球場はおおいに盛り上がったというわけだ。

 このように、昔はただ投げるだけで終わっていた始球式も近年は少しひねりを加えた演出が目立ってきている。女性アイドルがセクシーな衣装を着て、パンチラ胸チラを期待させながら投げるパターンのネタもだんだん見飽きてきた。翌日のネットニュースで「アイドルの○○ちゃんがノーバン始球式」という見出しを掲げても、誰も「ノーパン!?」と釣られなくなったということか。

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