サニブラウンは“抜いた走り”でも9秒台スプリンターの片鱗
陸上競技に詳しいスポーツライターの高野祐太氏は、テレビ観戦した印象をこう語る。
「サニブラウンは2本ともスタートが遅れたものの、とてもリラックスしていた。100メートル走でも脚が地面に接地する際に抵抗を受ける局面などで、動作に必ずブレーキ要素が生まれるものだが、推進力を邪魔する無駄な力がほとんど感じられなかった。準決勝では必死に追ってくるライバルたちに大差をつけて流すようにゴール。現時点での実力は抜けている。9秒台スプリンターの風格さえ感じますね。決勝は風などの条件が整った上でスタートさえ決まれば、三たびの9秒台は濃厚でしょう。一方、桐生の準決勝の走りは少し物足りなかった。決勝は集中して違う走りを見せてくれるでしょうが、昨年のアジア大会(200メートル金)以降、グングン成長している小池の走りの方が勢いが感じられました」
28日の100メートル決勝は、アクシデントがなければサニブラウンの優勝で決まり。ファンの注目は時計だけか。