兵庫・明石商監督に聞いた データ分析とチーム強化の労苦
「中学2年の10月に知って(中森の地元の)篠山市まで時間を見つけては行かせてもらいました。明石商に入りたいと言ってくれた後に、横やりを入れてきた私立校もありました(苦笑)。兵庫県は一定の年収以下だと、授業料が免除になるので、そこは助かってます」
――今では部員100人以上の大所帯も、赴任当初は十数人しかいなかった。
「大変でした。走ってきますと言った子が部室でラーメン食べてたり、やる気がないと言って家に帰る子がいたり(苦笑)。僕自身、明徳中から公募を通じて入り、面白くないと思う人も中にはいた。明石商なんかが甲子園行ったら、逆立ちして全国歩いたる、と言われたこともあった。夜遅くまで照明つけて練習して、苦情も来た。結構、叩かれました(苦笑)。2年前までは遠征費がないので、部員が冬休みにアルバイトしていた。卸売市場や商店街を回って頭下げて。大学との関係をつくるために関東や九州を自腹で回った。1年で唯一、大晦日からの3日間はいつも熱を出してました。僕以外の6人のスタッフも休みなく、子どもたちと向き合って。わかってくれる人はわかってくれていると思う。だから生徒には常々、『しんどい時にお世話になった人は絶対裏切るな』と言ってるんです」