国内リーグの空洞化を防ぐ若手育成計画“プロジェクトDNA”
けれども、仮にJリーグがサッカーの質や待遇面で欧州と同等レベルになれば、国内残留を選ぶ人間も出てくるはず。「『海外に出たから厳しい間合いを経験できる』のではなくて『Jにいても当たり前のように世界基準を体感できる』となるべき。Jの可能性は無限大だし、まだまだ成長できる余地が残されている」と川島永嗣(ストラスブール)も言う。メキシコなどはリーグレベルも年俸も高いため、トップ選手が国内にとどまる傾向が強い。そういう例があることも念頭に置く必要があるだろう。
■審判のレベルアップも不可欠
とはいえ、2度のドイツ挑戦に失敗して帰国した宇佐美貴史(G大阪)、昨季ベルギーのシントトロイデンで出番を得られなかった関根貴大(浦和)らがJ復帰直後から大活躍する姿を見せられると、日本と欧州の差を痛感させられる部分も少なくない。もちろん彼らが所属した欧州クラブの事情や監督の思惑も出番の有無に影響したのだろうが、復帰組が苦労するくらいのレベルにJ全体を引き上げるべく、関係者にはより一層の努力が求められるのだ。