テストマッチ3連勝で絶好調も「まだ不透明な部分がある」
林 敏之(元日本代表・59歳)
現役時代、強烈なタックルと果敢な突進を武器に「壊し屋」の異名を取った。神戸製鋼の主将としてチームの全国社会人大会7連覇に貢献。日本代表の主将も務め、1987年の第1回W杯に出場した。白のヘッドキャップと口ヒゲがトレードマークだった「伝説のロック」が、全5回にわたって大いに語る――。
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日本で開催されるラグビーW杯が目前に迫ってきました。初の8強入りに期待が高まっていますが、多くのファンがジャパンの勝利を信じられるようになったのは、前回2015年大会の初戦で世界屈指の強豪である南アフリカに勝った経験があるからだと思います。
僕も4年前、あの世界を驚愕させた試合を現場で目撃しました。
もちろん、今でも鮮明に覚えています。
エディ・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が座っていた位置の斜め前の座席で観戦していたのですが、後半になるとスタジアム全体からもの凄い「ジャパンコール」が沸き起こりました。
そんな中、ジャパンは最後まで相手に食らいつき、ラストワンプレーで歴史的な大逆転勝利を収めたのです。