エディーJは長年目指してきた日本スタイルの完成形だった
そもそも日本人は<どの民族よりも忍耐強いという特性がある>ことを見抜き、他国の選手が音を上げるような厳しい練習を課しても、最後までやり切れると確信したのです。早朝から始まる3部、4部練習を毎日繰り返したことで、4年前にヒーローとなった五郎丸歩選手は、90キロの体重が100キロに増えて筋骨隆々の肉体になりました。
プロ契約選手がオープン化したことで前回W杯前に150日間の長期合宿が組めました。このことも躍進の大きな要因となりましたが、合宿で選手たちが忍耐強く最後までメニューを消化したからこそ、「日本らしいラグビー」の完成形を実現できたのだと思います。 (つづく)
(取材・文=フリーランスライター・中山淳)
▽はやし・としゆき 1960年2月8日、徳島県生まれ。地元の城北高から同志社大。神戸製鋼で7連覇の偉業を達成した。90年にオックスフォード大に留学。同大の歴代ベスト15に選出された。現役時代は身長184センチ、体重103キロ。代表キャップ38。ハード&クリーンなプレースタイルを貫き「世界を最も知る男」「世界に最も近づいた男」と高く評価された。現在は特定非営利活動法人ヒーローズの理事長として精力的に活動している。