来季は3つの代表戦が…錦織圭を待ち受ける“超過密日程”
暮れには30歳。錦織は、右肘の手術に踏み切った長期休養中に、デビュー以来9年間続いたダンテ・ボッチーニとのコーチ契約を解消……一連の重い決断は来季への固い決意、厳しい現状認識の表れだろう。その来季の日程が厄介なのだ。
1月の全豪前に新たな国別対抗戦ATPカップが始まり、8月のオリンピック出場はデ杯参加が条件で、そのデ杯プレーオフを3月にホームで戦う。チーム戦では全力を出し切る性格にとって、3つの代表戦はかなりリスキー。復帰の年であり、まして不在中に力関係が劇的に変わった。
ATPファイナルズは、21歳のステファノス・チチパスが26歳のドミニク・ティエムを倒して優勝した。ナダル、ジョコビッチは4強に残れずフェデラーも若手2人に決勝進出を阻まれている。他にも、23歳のダニール・メドベージェフは全米の準優勝に加えマスターズ2大会を含む4勝など若手が着実に台頭。一方で、ベテラン3強も4大大会のタイトルを総なめにしてトップ3を維持した。3人が持つ義務大会免除の特権は、特にオリンピックイヤーにはアドバンテージだろう。
こうした状況下で、錦織がマイケル・チャンとの時限契約だけで“日の丸”を背負ったイバラの日程を健康に乗り切るのは難しい。新体制の発表はいまだない。そこでベルダスコの店にコーチ打診に出掛けてみたのだが、あいにくの不在。レストランをもう一軒経営するなど多忙だという。