球界随一の理論派がなぜ一生の伴侶に沙知代夫人を選んだか

公開日: 更新日:

 野村監督はコンプレックスの強い人だった。自分にはないというコンプレックスが、強ければ強いほど成功へ近づくことを知っていた。

 野球で成功するのに必要だったコンプレックスを野村監督、人生の伴侶にも求めたのではなかったか、と思う。

「野球はアタマでやる」という理論派の人が、その昔「女のために野球を捨てる」と覚悟したほど、沙知代さんは、野村克也にとって唯一無二の存在だったのだ。

「対照的でしたけど、いいコンビだったと思います」と克則氏も言った。

 時計の振り子が等間隔で振れるように、ふたりは人生の時を刻んだ。

「死ぬのも悪くないよ。サッチーさんに会えるんだから」と、監督の言葉が聞こえるようだ。 =おわり

(林壮行/元 日刊ゲンダイ運動部長)

【連載】名将・野村克也 ボヤキの内幕

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動