コロナ禍での中断延長に揺れるJリーグを緊急探訪【鹿島】
■「理解度を高めるいい時間に」
そんな鹿島だが、J休止決定から約10日が過ぎた3月6日は、非常に明るい雰囲気に包まれていた。春らしい穏やかな晴天の下、かつて柏やローマ、ベシクタシュなどで名を馳せた元DFのザーゴ監督も、13対13のゲーム形式の練習に参加。
1月の高校サッカー選手権優勝を引っ提げ、静岡学園高校から加わった新人・松村優太と正面衝突すると「ダイジョウブか?」と優しくいたわるなど和気あいあいとした様子が印象的だった。
「ここまでの公式戦3つは<泥のような試合>でしたけど、休止期間に意思統一も図れているし、チームとしても噛み合ってきている。前進している手ごたえはあります」とベテランFWの伊藤翔も笑顔を見せていた。
彼らからは、コロナ拡大の悲壮感はあまり感じられなかった。この日の時点で茨城県の感染者はゼロだったこともある。
「クラブスタッフも『感染者がいないことが誇りだ』と言ってました。僕自身も消毒を心掛けるなど対策してます」と伊藤は言う。鈴木満強化本部長はマスクをつけて練習を見学していたが、チーム全体としては、FC東京などの都心のクラブのようなピリピリ感はない。こういった状態を維持することが、J早期再開への早道になるだろう。