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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

コロナで露呈…阪神の後手対応と在阪マスコミの責務放棄

公開日: 更新日:

 阪神藤浪晋太郎ら3選手が新型コロナウイルスに感染したことについて、阪神球団の対応が問題視されている。感染の原因とされる3月14日の食事会が一部報道によって合コン的な集いであったことが発覚。詳細は割愛するが、当初球団はそれを公表しなかったため、隠蔽にあたると批判されているわけだ。

 阪神球団がマスコミに対して不都合な事実を隠蔽しようとしたり、なんらかの圧力をちらつかせてネガティブな報道や言論を自粛させようとしたり、つまり都合良くマスコミを操作することは別に今に始まったことではない。

 私が知る限り、阪神球団の意にそぐわなかったために直接取材の禁止を言い渡されたメディアもある。また、新聞や放送で報じられた批判的な言論に対して阪神球団から後日クレームが入った、などといった事例も数々見聞きしてきた。

■顔色をうかがうばかり

 阪神がそれだけマスコミに対して強気な姿勢でいられるのは、関西で絶大な人気を誇っているからだ。とりわけ関西のスポーツ新聞や放送局にとって阪神ネタはキラーコンテンツであるため、各社は阪神球団や選手たちから嫌われないように先述したマスコミ操作に従うことを基本姿勢としている。だから関西のスポーツ系情報番組などでは、事前打ち合わせの席で「これは言わないほうがいい」「このネタは扱わないでおこう」といった、自主規制の確認みたいな会話が普通に交わされる。阪神球団の顔色をうかがっているのだ。

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