名門開星・山内前監督 部費300万円私的流用と体罰の実態
■多額の使途不明金
保護者会は今年の2月以降、山内前監督が退任し、野々村監督が復帰する新体制になるのを契機に、部の会計に関する調査を学校側に依頼していた。保護者会と学校側が、18年度の新チームが発足した同年8月から今年の3月上旬にかけての金融機関の通帳や会計帳簿からお金の動きを洗いざらい調べた結果、ズサンな会計が判明。3万円、5万円単位の使途不明金がどんどん出てきて、中には数十万円に上るものもあったという。地元の高校野球関係者が明かす。
「山内前監督らもハッキリと覚えていない支出もあったようです。今回は業務上横領に該当する事件ですが、前監督らが私的流用の事実を認め、保護者に約300万円を返金することで示談。すでに示談金は支払われ、関与した野球部長は副校長の職を解かれるなど処分を受けた。野々村監督による新体制のもと、部員たちができるだけ早く落ち着いて練習できるようにとの配慮もあり、保護者会は警察への被害届を見送ることにしました」
日刊ゲンダイは昨年11月、山内前監督が部員に約30キロの罰走を命じるなど日常的に体罰を科していると報じた。が、体罰のみならず、あろうことか保護者が汗水垂らして働き、野球部に納めていたカネで私腹を肥やしていたのだ。部員、保護者に対する裏切り行為に他ならない。
開星野球部で発覚した不祥事は、全国の高校野球界ではあくまで氷山の一角に過ぎない。西日本のある強豪校には、まだオモテには出ていない暗部がある。 (つづく)