育成→昇格のロッテ和田 高校野球未経験の異色の韋駄天男
和田康士朗(ロッテ・外野手3年目・21歳)
幕張の新韋駄天――。
早くもそんな異名がついている。今月1日に育成から念願の支配下選手に“昇格”。翌2日から始まった練習試合では、すべて途中出場ながら12球団トップの7盗塁をマークし、開幕一軍メンバーに名を連ねた。
50メートルを5秒8で走り抜ける俊足男は、高校時代に野球部ではなく陸上部に所属した変わり種だ。母校・埼玉県立小川高の野球部長で2年時の担任だった中村教諭が言う。
「入学時から飛びぬけて足が速かった。体育祭の短距離走では3年間ぶっちぎりの1位。当時、本人から『野球をやっている』と聞かされても、部活には入っていなかったので、私は『お遊びレベルだろうな』くらいの感覚でした。それが独立リーグから、ロッテに入団し、支配下登録ですからね。ただただ驚きです」
中学で一度は諦めた野球を再開しようと、高校1年の冬に陸上部を退部し、学校に通いながら社会人クラブチームの都幾川倶楽部硬式野球団に入団。高校卒業後に独立リーグのトライアウトを受け、BC富山でプレーした。都幾川倶楽部の荻野監督が言う。