米ゴルフツアー選手たちはなぜ「黒人差別」に沈黙するのか

公開日: 更新日:

 加えて、PGAツアーは政権に逆らえない立場にある。PGAツアーには2つの法人格があり、TPCなどのゴルフ場の経営などについては、一般企業と同じように税金を支払っている。一方、トーナメントに関しては、スポーツ振興やトーナメント会場のある地域振興を兼ねたチャリティー活動を行っているとして、利益を求めないNPO法人のような形で、税金が大きく軽減されている。数百億円に及ぶ、テレビ放映権収入などに対しても同様だ。

 ずいぶん前の話になるが、民主党のクリントン政権の時代、PGAツアーの優遇税制が問題になったことがある。この時は、ツアーが活発にロビー活動を展開し、クリントン大統領がゴルフ好きだったことも功を奏して事なきを得ている。

 しかし、当時からすれば、PGAツアーの収入は倍増。トップの収入が年間4億円以上というNPO法人というのもちょっと異常だ。2017年のジェイ・モナハンコミッショナーの年収は390万ドル(約4億1340万円)。今年はコロナの影響でサラリーを25%カットするという。民主党のバイデン氏が大統領にでもなれば、再びツアーの優遇財政が問題になるかもしれない。こんな時期に政治的な行動は取れないというのも、PGAツアーなのだろう。

(ゴルフライター・吉川英三郎)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  5. 5

    中森明菜が小室哲哉、ASKAと急接近! “名曲製造機”との邂逅で「第2の黄金期」到来に期待

  1. 6

    「色気やばい」山﨑賢人のタバコ姿が大反響 韓国で路上喫煙の宮根誠司との反応に“雲泥の差”

  2. 7

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  3. 8

    中野サンプラザ、TOC、北とぴあ…都内で建て替え計画が相次ぎ頓挫する理由

  4. 9

    岩井明愛・千怜姉妹が大ピンチ!米ツアーいまだポイントゼロで「リシャッフル」まで残り5試合

  5. 10

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”