巨人FA補強に浮上する「第3の男」 菅野メジャー流出濃厚で
ノーヒットノーランで株急上昇
大塚淳弘球団副代表は先日、「うちは投手と外野手が足りない」とし、近大の佐藤輝明(4年)を外野手として1位指名することを示唆したばかり。菅野が流出すると仮定すれば、「数が足りない」という先発投手はどう補うのか。「FA補強で第3の男が浮上しそうです」と、さる球界関係者がこう続ける。
「菅野に次ぐリーグ2位の8勝(3敗)を挙げている『ライアン』こと小川(泰弘=30)です。昨オフに球団から提示された複数年契約を断って、6月20日に国内FA権を取得した際には『シーズンが終わった時に考えたい』と含みを持たせていました。ヤクルト周辺ではFA権を行使するのは既定路線とみられています」
先月15日のDeNA戦でノーヒットノーランを達成し、一躍注目の人となった。13年に16勝で最多勝と新人王を獲得。3年目にも11勝を挙げた。昨年こそ5勝止まりだったものの、19年まで7年間で平均143回を投げた抜群の安定感とスタミナは貴重。最下位のチームにあって8月15日に5連敗、同23日に2連敗、同30日に5連敗をストップさせるなど、まさにエースという働きを見せている。菅野の後釜に座る資格はありそうだ。
■本命2人が残留、メジャーの線
「このオフのFA戦線は、3度のトリプルスリーを達成したヤクルト・山田哲人の争奪戦がメイン。巨人もオフの超目玉補強の位置付けで、水面下では調査を始めています。2人目は、防御率リーグ3位で、この前まで5連続完投勝利を達成するなど、圧倒的な馬力を誇る中日の左腕・大野雄大。巨人も当初はこの2人がメインとみられていました。それが、山田哲は上半身のコンディション不良で登録抹消を経験するなど、今季は成績が振るわないため、ヤクルト残留の線が出てきた。大野雄も今季の活躍でメジャーの評価が上がっているようです。中日残留を含め、予断を許さない状況になってきているのです」(前出の球界関係者)
小川は愛知県出身。FA権を行使すれば、地元・中日も黙ってはいないだろうが、巨人とのマネーゲームでは分が悪い。山田哲、大野雄、そして小川――。3人とも所属球団での年俸がCランクではないため、ルール上、巨人が獲得できるのは2人だけ。絶対的すぎるエース菅野の後釜候補に、「第3の男」が浮上である。