プロ野球契約最終年 首筋が寒い監督4人「去る者 残る者」
DeNA アレックス・ラミレス(45歳)
首位巨人と5・5ゲーム差で迎えた今月1~3日の首位攻防戦で3連敗。3戦目は中継ぎ投手のパットンを先発させる奇襲に出たが、巨人打線に集中打を浴び、1回3分の1を9失点と大炎上。チームは二回までに13失点の大敗で、巨人とは今季最大の8・5ゲーム差に広がった。自身の古巣・巨人に3勝9敗と歯が立たないのが致命的だ。
■「番長」就任が既定路線
「下位打線だろうが、基本的に犠打はなく、攻撃はただ打つのみ。足を絡める作戦がほとんどないから効率が悪い。単打3本で無得点なんてことがよくある。8番に投手を置く意図にしても、ベンチのコーチだって理解していないんだから、コミュニケーション不足もいいところ。かなり頑固でコーチ陣の意見にほとんど耳を貸さなくなっている。リーグ優勝の可能性がほぼ消えて、2位の可能性はあっても、今年はCSもない。球団内で完全に孤立しているし、今季限りとみられています」(球団OB)
次期最有力候補は「ハマの番長」こと三浦大輔二軍監督(46)だ。
昨季は一軍投手コーチとして3年ぶりに現場復帰。精力的に投手陣を指導し、今季は二軍を率いている。
「昨年は独裁といわれたラミレス監督に、先発投手が長いイニングを投げることの重要性を訴え、よく先発の続投を進言していた。これからのベイスターズを支える今永、浜口、上茶谷ら若手投手を引き上げたというのが球団の評価です」(前出の球団OB)
その二軍は11日現在、28勝20敗1分けでイースタン・リーグ2位と好調。若手を引っ張る手腕も発揮しており、交代は確実な情勢だ。
日本ハム 栗山英樹(59歳)
今年が9年目。球団史上、最も長く指揮を執ってきたものの、2年続けてBクラスに低迷するようなら、監督交代は必至だ。
「栗山さんは監督の立場に恋々とするタイプではない。過去に何度も辞表を提出してもいる。本人は去年も辞めるつもりだったが、フロントから慰留された経緯がある。1年契約の今季、Bクラスのまま留任というわけにはいかないでしょう」とはさるOB。問題は後任だという。
■最有力候補は評判が…
「最有力は小笠原道大ヘッド兼打撃コーチ(46)。同じ左打者の清宮の育成に加え、次期監督含みもあって入閣したものの、いかんせん評判が芳しくない。清宮は依然、パッとしないし、ヘッドコーチでいながら、ミーティングでもほとんど発言しないとか。他のコーチがしゃべっていることをウンウンと聞いてるケースが圧倒的に多いというのですから」(前出のOB)
日本ハムは2003年以降、ヒルマン監督、梨田監督、栗山監督と、3人続けて指揮官を外部招聘した。
小笠原ヘッドの昇格がなければ、あっと驚くような人材を連れてくる可能性もありそうだ。
西武 辻発彦(61歳)
就任4年目。2018年オフに結んだ2年契約は今季限りで切れる。2年契約を結んだ当時、本人は「歴史的に複数年契約という形はとってきてない球団ですが、2年という期間を私に与えていただいたということは、それだけ期待されているということ。さらに精進しないといけない」と語っていた。
生前の野村克也氏が「現役監督では(能力は)辻が一番」と話していた通り、17年から2位、1位、1位。成績は申し分ないものの、クライマックスシリーズではいずれも敗退し、日本シリーズには一度も進出していない。リーグ3連覇をかけて臨んだ今季は11日現在、借金4の5位に沈んでいる。課題の投手陣は今季も防御率4・42でリーグワーストだ。
■稼頭央に禅譲へ
「辻監督の球団内の評判は必ずしも悪くない。次は二軍監督2年目の松井稼頭央(44)が既定路線だけど、昨年はイースタンで7チーム中6位。今季もこれまで6位と苦しんでいる。もう少し準備期間が必要という声もある。一軍はここ数年、投手陣が崩壊している。球団としては、ある程度は辻監督に道筋をつけてもらってから、満を持して就任させたい考えがあります」(チーム関係者)
投手陣再建へ、あと1年、時間をもらえるか。
オリックス 中嶋聡代行(51歳)
8月20日、西村監督解任に伴い、二軍監督から一軍の監督代行に。オリックスには二軍監督も経験した幹部候補生の田口野手総合兼打撃コーチがいるものの、「フロントは田口コーチより中嶋監督代行を評価している」とオリックスOBがこう続ける。
「オリックスはいま、若手が力を付けている。ファームは昨年2位、今年3位。ドラフトと育成に舵を切り、主に高卒の若手を育ててきたのが当時の中嶋二軍監督です。それだけに若手が出てくるであろう来季は、中嶋監督代行が指揮を執るのがベストという判断だと聞きました」
■若手指導法をフロント評価
中嶋監督代行と田口コーチ。ともに二軍監督を経験しているが、若手への接し方は対照的だという。
「例えば、ある選手が試合で凡フライを打ち上げて一塁までの全力疾走を怠ったとします。田口コーチは選手に直接、やるべきことをやらなければ結局、自分に跳ね返ってくると丁寧に説明するのに対し、中嶋監督代行はコーチにひと言、『アイツはもう使わない』と言い、コーチが選手に『監督はこう言ってるけどオレがもう一度だけチャンスをやる』とフォローする図式。もちろん選手によって接し方は違いますが、いまどきの高校出たての若手には中嶋監督代行のやり方が効果的というフロントの判断でしょう」(前出のOB)