キング・カズ編<中>のぼせ上って“ツーショット”撮らず後悔
ブラジルでの生活、日本サッカーの印象、将来の夢など多岐に渡って話を聞いた。ただ、まだ1試合だけだし、それも相手は静岡県2部リーグ(当時)のチームだったし、あまり多くは語らなかった印象の方が強い。
その後、10月に開幕した日本リーグでもカズは左ウイング(当時のフォーメーションは4-3-3が多かった)でプレーしたが、当時の読売クラブの選手たちは、意図的にカズへパスを出さなかった。
■話題先行の“新参者”と思われていたカズ
話題先行の「新参者」と思われていたからなのか、実力が未知数の選手にパスを出すよりも、気心の知れた「仲間内」でパスを回していた印象が強く残っている。
当時の読売クラブが凄かったのは、それでも試合に勝ってしまうことだった。そしてカズは、ストライカーとして覚醒する。「ブラジルではアシストも評価されるけど、日本では点を取った選手しかクローズアップされない」ことを知ったからだ。
自戒を込めて言うと、当時の日本のサッカーメディアの理解度も低かったのかも知れない。