ドラ1は確実 福岡大大濠・山下舜平大の直球は“鉄球”の衝撃
「とにかく、しゅんぺいたには<余力>がありますから……。そこが末恐ろしい」
9月、山下舜平大の全力投球を、福岡大大濠グラウンドのブルペンで受けた。
この時がいちばん驚いた。そりゃあ、とんでもないボールだった。
ブルペンで受けて話を聞いて記事を書く……。このスタイルの取材を始めて20年。およそ240人に及ぶ快腕、剛腕の中で、ナンバーワンなのではないか。
東海大・菅野智之、花巻東・大谷翔平……球史に残る大選手が何人もいる中で、これほど破壊力のあるボールをこちらのミットに投げつけてきた投手がいただろうか。
遠い記憶だから、印象が薄れているわけじゃない。ミットの中の左手の記憶は永遠に「等身大」だ。うなる剛球……なんてもんじゃない。左手の人さし指なんか、いちばん上の関節が今も前に曲がったままだ。
150キロ近い剛速球が、ブルブル震えながらこっちに向かってくる。
ミットにめり込んでくる衝撃は「鉄球」だ。