阪神の場当たりFA狂騒 大野&増田獲得してもまた不良債権に
期間は長くても2年が限度
そうなると、争奪戦に加わる阪神も「年数」で張り合う必要がある。「阪神が複数年契約を結ぶと、ロクなことがないイメージがあります」と巨人、中日など4球団で投手コーチを歴任した評論家の高橋善正氏がこう言った。
「最近では鳥谷(現ロッテ)が5年契約(総額20億円)を結んでいた。さらに糸井は今季が4年契約(同18億円)最終年。鳥谷の最後の年(19年)の打率は2割ちょっと(・207)で糸井は今季・268でしょう。選手にとって長期契約というのは難しい。どうしたって安心するし、油断にもつながる。30代なら衰えに直結するかもしれない。大野雄も増田も今年は素晴らしい成績だが、来年33歳になる年齢が気になる。FAの場合、巨人など他球団との競争になり、マネーゲームになるのは仕方ない部分はある。ただ、3年以上の契約はリスクが高い。それより先は、チーム事情や状況が変わってくる。契約期間は2年が限度でしょう」
■城島は4年目を返上で引退
ライバル球団を出し抜こうと、選手の希望を丸のみ。長期契約を保障し、後になって頭を抱える。ファンや株主に「不良債権」と揶揄され、右往左往するようなことを繰り返してきたのが阪神だ。
かつて阪神で引退した城島(現ソフトバンク会長付特別アドバイザー)は4年契約の3年目に引退を決意。最終年の推定4億円の年俸を辞退するという珍しいケースもあった。前出の高橋氏は「最終年の年俸はムダにならなかったとはいえ、4年という契約年数が適正でなかったことが証明されたわけで、阪神という球団が、いかに場当たり的なチームづくりをしてきたかを物語っています」と指摘する。
阪神は再び同じことを繰り返すのか。