世羅高の高校駅伝アベックV “助っ人留学生”で快挙への疑問
素直に「よくやった」とは言えない。
20日に行われた全国高校駅伝は、女子(5区=21・0975キロ)は世羅(広島)が5年ぶり2度目の優勝(1時間7分13秒)を果たし、同校の男子(7区=42・195キロ)も2時間1分31秒の記録で史上最多の10度目の頂点に立ったが、勝因はいずれもケニア人留学生の快走だった。
女子はアンカー(5キロ)のテレシア・ムッソーニ(3年)が8位でタスキを受けると7人をごぼう抜き。14分37秒のタイムは5区の区間新記録だった。
男子も3区(8・1075キロ)のコスマス・ムワンギ(2年)が22分39秒の区間新記録で4人を抜き去り首位に立ち、そのまま独走態勢に入って逃げ切った。ムワンギは、2004年にサムエル・ワンジル(仙台育英)が記録した22分40秒を1秒更新した。
広島の世羅は駅伝の名門校で、女子は今年で15年連続15回目、男子は17年連続50回目の出場だ。県立高校だが陸上部員は寮生活を送り、クロカンコースなど練習環境も整っている。同校陸上部はOBやOGの他に、地元住民らが陸上部の活動や留学生の支援をしている。今年は全国から活動資金の寄付も募ったようだが、駅伝に留学生を起用することには当然賛否がある。