菅首相は五輪開催に強気も…ワクチン接種“三者三様”の胸中
菅義偉首相は12日、米マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏と電話会談し、コロナ対策で意見を交換。「(五輪を)必ずやり切る」と、意気込みを表し、五輪開催には発展途上国にもワクチンを供給できることが重要との認識で一致した。開催国の首相なら、選手が接種する、しないは別として、ワクチンを必要な量だけ準備するのは当然だろうが、本音は五輪代表には優先接種を指示したいのではないか。
一方、同日、橋本聖子五輪相は閣議後の会見で「選手らのワクチン接種は(五輪開催の)前提としない」と語った。
東京は緊急事態宣言が再発令され、国内の感染爆発は収まる気配がない。そんな状況下でも半年後の開催に向けて「ワクチン接種は前提としない」とキッパリ言った。その胸中をスポーツファンの吉川潮氏(作家)はこう推測する。
「世論では『五輪の延期・中止』の意見が80%を超えています。これを打ち消そうとしたのでしょう。『世論がなんと言おうと、私たちはやりますよ』と。それに、元選手だった橋本さんは金メダルは取ってないけど、夏冬合わせて日本女子最多の7度も五輪に出場している。それを利用して政治家になって、ついには大臣にまで上り詰めた彼女にとっては『五輪がすべて』ともいえる。その五輪に向けて全世界にワクチンが行き届く確信はない。なにがなんでも開催にこぎ着けるよう、あのような発言につながったのだと思いますね」