東京五輪“ワクチン割り込み接種”で開催目指すIOCの狂気
「オリンピック」といえば、何でも許されると思っているのだろう。
国際オリンピック委員会(IOC)の古参委員であるディック・パウンド氏(カナダ)は、コロナ禍での東京五輪開催のため、「選手は優先的にワクチンを接種されるべきと主張した」と、6日の英スカイニュース(電子版)が報じた。
パウンド氏は「それぞれの国で決めることで、接種を待つ列への割り込みという人もいるだろうが、五輪開催のためには最も現実的な方法だと思う」と語ったのだが、世界中でそんなことを望んでいる者がどれだけいるか。
感染拡大が止まらない欧米諸国だけではない。例えば、五輪開催都市の東京は7日、新規感染者が過去最多の2447人を記録。同日には東京と近隣3県(神奈川、千葉、埼玉)に新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の再発令が決まった。東京は五輪開幕の約半年前だというのに感染爆発を起こしており、医療崩壊も始まっている。政府はワクチン接種を医療従事者や高齢者らに優先する方針だが、日本は欧米諸国より接種開始が大幅に遅れ、2月下旬からを目指している。「どうしても五輪を開催したいので選手には優先的にワクチンを打たせてくれ」といっても、誰が耳を傾けるというのか。国士舘大非常勤講師でスポーツライターの津田俊樹氏が呆れ顔でこう言う。