新時津風親方も東農大…「学閥人事」災い転じて福となすか
今回の人事を語る上で重要なのが学閥だろう。前時津風親方も土佐豊と同じく東農大出身。この流れをつくったのが、3代前の時津風親方、かつて協会の理事長も務めた経験がある元大関豊山の内田勝男氏だ。自身も東農大出身で、引退後は同校相撲部の指導も行うなど、結びつきは強い。大関正代や内田氏から四股名を譲り受けた豊山も東農大を卒業している。
「内田さんは普段は細かい部屋の運営などには口は出さないが、相談役のような形で、今回のように何かあれば自ら乗り出す。土佐豊を指名したのも内田さんです。07年に先々代の師匠が新弟子を死なせてしまったときも、内田さんがまだ現役だった時津海を後継者として強引に指名。無理やり引退させた負い目があってか、時津海が遊びほうけていても注意できなかったようです。時津風部屋は伝統もあり、後援会のサポートも手厚い。同じ親方として羨ましい限りだけど、上意下達の学閥に支配されているのは善し悪し。土佐豊も今後、苦労しなければいいが……」(ある親方)
裸一貫の大相撲でも学閥は無視できない。