代表2ゴールデビューの稲垣祥 激戦ボランチ争いに本格参戦
それがモンゴル戦の2発につながった。
後半18分からピッチに立った彼は、5分後に強烈弾をお見舞い。終了間際にも伊東純也(28=ゲンクMF)から受けたパスを迷わず蹴り込み、今季J1・3得点の好調ぶりをそのまま示した。
素晴らしい代表初舞台となったが、ここまでのキャリアは、決して華々しいものではなかった。
1991年生まれの稲垣は東京・練馬区で育った。中学からFC東京U-15むさしに加入してプレーしたが、同U-18への昇格は叶わず、帝京高に進んだ。ホスト界の帝王と呼ばれるローランドが1学年下におり、同じ釜の飯を食った間柄だ。
高校サッカー選手権にも2度出場したが、プロのスカウト網には引っ掛からず。日本体育大に進学した。
当時の同大は1部と2部を行き来する状況。それでも甲府の目に留まり、14年にJリーガーとして第一歩を踏み出した。
そして3年目には森保一監督が采配をふるっていた広島にステップアップ。が、稲垣はすぐには試合に出られなかった。