代表2ゴールデビューの稲垣祥 激戦ボランチ争いに本格参戦
「あのときは試合に絡めず、キャリアの中でも苦しい時期でした。『自分が試されているな』と感じながら日々練習してました」と述懐する。
指揮官がヨンソン、城福浩を代わった後は、青山敏弘(35)とともに主力ボランチとして君臨したが、「日本代表を率いる森保監督に認められたい」という願望は、心のどこかにあったはずだ。
■「夢のまた夢」だった代表入りが現実に
昨季からはフィッカデンティ監督率いる名古屋へ。そこでチームの絶対的存在となった。
しかし、日の丸経験皆無の30歳目前男は、どうしてもドメスティックプレーヤーと見られがち。代表入りは、夢のまた夢だった。
そんな彼にチャンスを与えたのが、かつて高評価を受けられなかった森保監督だった。
「今回の抜擢には正直、驚きましたね」と偽らざる本音を吐露する。
過去のしがらみに関係なく、フラットに評価してくれた恩師に報いたいと稲垣は練習から全力を注いだ。特に武器であるミドルシュートの練習は精力的にトライ。周りにも「こういうボールがほしい」と要求した。