池江璃花子が東京五輪代表決定 完全復活のカギは精神力
とはいえ、自身が現日本記録(56秒08)を樹立した18年のパンパシフィック選手権のころに比べると体の線はまだ細く、後半のスピードも戻っていない。
■筋肉より精神が原動力
東京五輪で女子400メートルメドレーリレーの予選が行われるのは7月30日。残された4カ月弱で完全復活できるだろうか。旧ユーゴのナショナルスキーチームのトレーナーとして五輪や世界選手権に帯同し、数多くのアスリートを指導してきたフィジカルトレーナーの平山昌弘氏は「池江選手ほどのレベルになると、もはや筋肉は関係ない」と、こう続ける。
「30年以上も選手の体と向き合ってきましたが、トップ選手は何よりも精神が原動力になると思っています。池江選手の心の強さは証明されています。筋肉が落ちたことで効率的な体の使い方が模索され、より洗練される例もある。ケガや病気、出産などで一時的に競技から離れた選手が、以前より好記録を残すケースがあるのもそのためです。池江選手は並の器じゃない。五輪に臨む際、仮に筋肉量が病気前に戻っていなくても、また、五輪の直前練習で好タイムが出ていなくても、気にする必要はありません。きっと、本番では見ている者の想像を超えた泳ぎを見せてくれるはずです」
重い病を克服して天才スイマーが五輪に戻ってきた。