虎ドラ6中野が大貢献 プロ入り掴んだ社会人時代の打撃開眼
■小力を身に付けた
そんな中野は大学時代、ドラフトにかかるどころか、大学選手権の時点でまだ、進路が決まっていなかったという。ある球団のスカウトが言う。
「身長が170センチ強と小柄で、打撃に課題があった。大学までは内野安打狙いで三遊間にコツンと当てるだけの打撃をしていた。パワー不足は否めなかった」
しかし、打撃は社会人時代に改善の兆しを見せ始めたという。前出の安倍氏が続ける。
「打撃向上などを目的としたトレーニングの成果もあって、バットをしっかり振り、引っ張る打球を打てるようになった。いわゆる小力を身に付けました。二塁の糸原の守備固めとして使えば、糸原も守備への重圧が和らぐし、打撃である程度の結果を残すことができれば、遊撃を争う木浪や二軍にいる高卒3年目の小幡の状況次第でレギュラー獲得も夢ではないでしょう」
憧れの選手は、かつての遊撃レギュラーだった鳥谷敬(現ロッテ)。虎のレジェンドになるにはハードルが高いが、阪神はいい買い物をしたかもしれない。