二階発言が口火になるか…外堀が埋まりつつある“五輪中止”
「これ以上とても無理だということだったら、これはもうスパッとやめなきゃあいけない」
自民党の二階俊博幹事長が4月15日、TBSのCS番組収録で7月23日から開催予定の東京五輪・パラリンピックの中止に言及した。この二階発言について20日、丸川珠代五輪相は「ある意味当たり前のことだ」と話している。政権トップの発言は国内外のメディアを驚かせた。
「やっぱりいらない東京オリンピック」の著者で神戸大学大学院の小笠原博毅教授が、二階氏の発言にこう指摘する。
「誰が中止の口火を切るか注目されている時です。おそらく政権に近い官僚トップの間では『(五輪開催は)もう駄目だろう』という意見が共有されていると思っています。二階さんは、のっぴきならない状況の中で、情報をきちんと把握しており、菅首相が日米首脳会議で米国にたつタイミングで言ったのだと思います」
3月25日に福島県からスタートした聖火リレーは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大阪府全域の公道、愛媛県松山市内、沖縄県本島の公道で中止が決まった。また北朝鮮の五輪不参加も伝えられている。大会組織委員会の橋本聖子会長ら政府関係者が二階発言の火消しに追われる中、IOCのバッハ会長は強気姿勢を崩さないが、大会開催を危ぶむ声は海外の関係者からも次々出てきている。