著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神岩田は新生タイガースに唯一残る前時代のノスタルジー

公開日: 更新日:

 近年の阪神鳥谷敬が抜け、メッセンジャーが抜け、さらに福留孝介能見篤史藤川球児までもが退団。福原忍も安藤優也もいなくなり、久保田智之もウィリアムスもとっくの昔にいなくなった。かつて岩田と同じ釜の飯を食った前時代の主力がごっそり消え、怪物・佐藤輝明が脚光を浴びる新しいチームに生まれ変わった。そんな令和のタイガースが躍進を続ける中、最後に残った前時代のにおいが岩田なのだと思うと、目に焼き付けたくなってしまった。

■優勝の味を知らない末っ子

 岩田は今の新生タイガースになにを思うのだろう。阪神が最後にリーグ優勝したのがJFKの活躍が目覚ましかった05年。その年のオフにドラフト希望枠で入団した岩田は、だから先述した旧主力メンバーと共に長く戦ってきたにもかかわらず、優勝の味を知らない末っ子のような存在だった。岩田の現役生活もそんなに先が長くないだろうから、どうか晩年に優勝をつかんでほしい。

 岩田が二軍戦で先発した同じ日、阪神のスタメンには他に江越大賀中谷将大高山俊の名前が並んでいた。みんないわば、新生タイガースのフレッシュな波にのみ込まれてしまった(現時点では競争に敗れた)元・期待の星たちだ。一軍が強いときの二軍には、得てしてこういうシビアな現実が見え隠れする。

 もちろん、現在の阪神にも糸井嘉男や中田賢一など岩田以外のベテランもいる。だけど、ここぞという勝負どころでチームを救うベテランが現れるとしたら、それは岩田稔であってほしいと思う。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…