米国の「日本へは行くな」でも「五輪は大丈夫」の謎解き
米国内も日本同様、五輪に関しては中止論が根強く、ニューヨーク・タイムズは「(東京五輪が)3週間の一大感染イベントになる」と記した。米NBCテレビが支払う放映権はIOCの最も大きな収入源だが、そのNBCでさえ「聖火リレーの火は消されるべき」と強行開催を厳しく批判している。
■バイデン大統領にはスポーツ専門の顧問集団が
「IOCにとって米国は最も重要なマーケットであり財布。パリ五輪の次はロス、2030年の冬季五輪はソルトレークシティーが立候補するといわれています。つまり、米国はIOCにとって開催国誘致に手を挙げてくれる貴重な国。その反応は常に注視しています。今回の渡航中止には、バッハ会長も内心ドキッとしたはず。最終判断はバイデン大統領ですが、米国にはスポーツ専門の顧問集団があり、USOPCよりもはるかに大きな影響力を持つ組織とされている。大統領が五輪について決断を下す際は、USOPCではなく、この組織の判断によるものといわれています。そこで『NO』となれば、バッハ会長も中止へ舵を切るでしょう」(谷口氏)