体操・内村航平の五輪内定に組織委や推進派ニンマリのワケ
6日、鉄棒の内村航平(32)が15.100点で2位となり、個人枠での東京五輪代表入りを決めた。会見では開口一番「ダメです」と苦笑いを浮かべ、反省の言葉を口にした「体操キング」の五輪出場内定は、本人以上に組織委や五輪推進派が大喜びしているのではないか。
内村は昨年11月の五輪テスト大会時に当時の森組織委会長や小池都知事、橋本五輪担当相(現組織委会長)らの前で、「(五輪が)できないじゃなくて、どうやったらできるかをみんなで考えて、そういう方向に考えを変えてほしい」と話し、波紋を呼んだ。内村はアスリートとしての率直な思いを表現したわけだが、以降、小池都知事や橋本会長が事あるごとにこの発言を利用。IOCのバッハ会長までもが、昨年11月の森前会長との合同記者会見で、内村の名前を出したほどだった。内村は自身の発言が政治家や権力者に都合よく使われたこともあってか、その後は五輪開催の是非について語らなくなった。
もっとも、組織委や五輪推進派にとって内村は、五輪開催を訴えてくれた強力な“援軍”。人気や話題性もある内村の五輪内定は、開催への追い風になると考えていても、何ら不思議ではない。