選手がコロナ棄権でも「メダル」IOCわざわざ発信した意図
感染してもメダル獲得だ。
共同通信によれば、国際オリンピック委員会(IOC)は東京五輪で新型コロナウイルス陽性となった選手やチームが競技を欠場した場合、失格にしないルールを定めたという。
基本的には「繰り上げ方式」を採用。コロナに感染した選手、またはチームの次に順位の高い、有資格者が出場できる。例えば、コロナ感染で準決勝を戦えなくなったチームがあれば、その代わりに、準々決勝で対戦したチームが準決勝に進む。決勝進出の選手が欠場となっても、銀メダルを与えるという。
そもそもこのルールはコロナ感染に関係なく、適用されるべきものだ。ベスト4に進んだ選手が何かしらの理由で棄権すれば、ベスト8で敗れた選手が「繰り上げ」で準決勝に進むことに異論を唱える者はいないだろう。決勝進出を決めた選手が、コロナで金メダル争いを諦めることになっても、準決勝に勝った時点で銀メダル以上は確定している。
大会期間中に選手の感染が確認され、チーム内や選手村でのクラスターが発生すれば中止が議論されてしかるべきだが、IOCがこんなルールをわざわざ発信したということは、複数の陽性者が出ても中止の「雑音」には耳を貸さず、閉幕まで突っ走るための“アリバイづくり”ではないか。