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友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

MLB滑り止め使用禁止をすり抜ける「ブレンドテクニック」

公開日: 更新日:

■痕跡を消す技術の進歩

 スパイダータックはバスケの選手がボールの滑りを止める目的で使うペーストだが、これ以外にも米国では多種多様な滑り止めが市販されており、2~3種類をブレンドして使う投手も多い。

 ブレンドする目的は、自分の投球スタイルに合った滑り止めを得ることのほかに、異物を使用した痕跡がボールに残らないようにする狙いもある。

 滑り止めの購入とブレンドは選手自身がやることもあるが、各球団のクラブハウスマネジャーが受け持つことが多く、彼らは痕跡を残さないブレンドテクニックを競い合っているといわれる。

 今回、厳罰化するに当たり、MLBは審判に捜査権を与えているので、審判はマウンド上の投手に怪しい動作があれば、即座にマウンドに行って指先やボールをチェックできる。

 異物の仕込み場所になるキャップのひさしの裏側、スパイクのヒモ、グラブの裏側なども、調べられるだろう。

 それでも、すぐに摘発される投手が出る可能性は低い。使用の痕跡を消す技術の進歩で、そう簡単にはシッポを掴まれないようになっているからだ。

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