「1球団たった5枠」のスカウト席がマイナスにならない根拠…初戦敗退の静岡・高須の評価は?
中には、あえて担当地域のスカウトを外す球団もあったね。担当地区の選手の評価はどうしても甘くなりがち。なので、まったくノータッチの選手を先入観なしでチェックすることで、自分の担当する選手と比較できるんだ。
座席数が限られていることで、全試合を通して選手をチェックするスカウトは部長クラスも含めてほとんどいないと思うけど、マイナスにはならないと思う。
例えば、オレは自分が球場に入れない時間帯はホテルの部屋でテレビ観戦してるし、球団にはこれまで担当が集めたデータや評価がある。連日、試合後に宿舎で行われるスカウト会議では意見交換もするしね。このクソ暑い中、ずっと球場に張り付かずに済むことを考えたら、むしろプラスかもしれない(笑い)。
■リストに載った静岡のエースは4年後に期待
さて、第2試合(対新田=愛媛)に先発、5回3分の2を7安打2失点だった静岡(静岡)の高須大雅は、ウチの担当がドラフト候補としてリストに載せた右腕だ。長身(192センチ)から投げ下ろすストレートに角度はあるけど、制球が安定しないのはリリースポイントが一定じゃないからだ。背の高い投手は得てして長い腕を持て余すというか、扱いづらいもの。なんでも大学進学が内定しているそうだから4年後に期待といったところだね。
春のセンバツでチームを4強に導いた天理(奈良)の達孝太も体形(193センチ)の似た投手。彼は1位候補だが、伸び悩んでいるとか。肘の具合が良くないというウワサさ。=つづく