9.15開幕「中国の五輪」でコロナ対策アピールも…当局発表は誰も信じない
「失敗」の2文字はない。
中国で15日、陝西省西安市で全国運動会が開幕する。1959年に始まった国内最大のスポーツイベントは近年、4年ごとに開催されることから「中国のオリンピック」と呼ばれている。今年は中国全土から約1万3000人が集結。先月の東京五輪で活躍した選手もほとんどが出場するとみられる。
来年2月に北京冬季五輪を控える中国政府は、この大会を五輪のテスト大会と位置づけ、コロナ対策にも力を入れる。
東京五輪・パラリンピック関連の感染者は863人(五輪547、パラ316)。北京五輪はパラリンピックを含めても参加選手は約3600人前後だが、全国運動会の出場者は東京五輪(約1万1000人)を上回る。欧米から「新型コロナの発生源」と言われる中国だ。五輪の開幕まで5カ月を切った中で開催される国内イベントで、ひとりの感染者だって出すわけにはいかないはずだ。
「でしょうね」と、中国から日本に国籍を変えた会社経営者が次のように言う。
「コロナや人権問題で欧米の信頼を完全に失っている習近平(国家主席)は、北京五輪で安全、清潔、整備されたインフラ、ハイテクの成果などを世界にアピールしたい。五輪施設の建設現場に足を運ぶ一方で、欧米諸国が最も懸念するコロナ感染対策については、連日担当者の尻を叩いているともっぱらです」