新横綱・照ノ富士は両ヒザに“爆弾”抱えるも…綱を「細く長く」張り続けなければいけない事情
「怖いのは突発的なケガだけです」とはある親方。
14日も隆の勝を下し、初日から3連勝の新横綱照ノ富士(29)に関し、「知っての通り、照ノ富士は両ヒザに爆弾を抱えている。前に出て攻めているぶんにはいいんです。相手に押されて後退、踏ん張った時が怖い。念願の横綱になったからといって気を緩めるわけにはいきません。力士生命に影響するような致命的なケガだけは避けなければならない。細くとも長く、というのが本人の本音だと思う。将来に直結しますから」と、続けるのだ。
照ノ富士は8月に日本国籍を取得。日本人「杉野森正山(すぎのもり・せいざん)」として親方になることもできる。問題は、その後だという。
歴代横綱はそのほとんどが「師匠」となっている。ここで言う師匠とは親方のことではなく、部屋の経営者の意味。部屋付き親方は「師匠」とは呼ばれず、東富士や安芸ノ海のように諸事情で部屋付き親方のまま廃業したケースを除き、定年まで部屋付きだった横綱は皆無だ。
師匠になるには先代からの継承と独立の2パターンある。照ノ富士の場合、前者は見込めない。帰化の際、名字を師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)と同じにするくらい慕っているものの、後継者は伊勢ケ浜親方のいとこの息子にあたる、元安美錦の安治川親方で内定している。