照ノ富士を苦しめる「3つの重圧」…9月場所V候補筆頭も新横綱での優勝は過去4人のみ
新横綱照ノ富士(29)の晴れ舞台となる9月場所。初日は逸ノ城、2日目は元横綱朝青龍の甥である豊昇龍と対戦する。実力を考えればV候補の筆頭だが、新横綱で優勝した力士は過去4人しかいない。
大相撲が年6場所制になった1958年以降、新横綱として賜杯を掴んだのは、61年11月場所の大鵬、83年9月場所の隆の里、95年1月場所の貴乃花、2017年3月場所の稀勢の里(現荒磯親方)だけ。そのうち、貴乃花と稀勢の里は優勝決定戦までもつれ込んでいる。
かつて「憎らしいほど強い」と言われた北の湖(優勝24回)、ウルフこと千代の富士(同31回)、さらに朝青龍(同25回)や白鵬(同45回)といった横綱ですら果たせなかったといえば、いかに困難かがわかるだろう。
■土俵入りは精神的に消耗する
なぜ、新横綱は苦戦するのか。「横綱土俵入りによる精神的な消耗が原因のひとつ」との指摘がある。
照ノ富士は師匠・伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)と同じ不知火型を選択。8月24日の明治神宮奉納土俵入りで初披露した。土俵入りは決まった型があり、正確かつ美しく行わなければいけない。当然、間違えたら赤っ恥だ。横綱ごとにアレンジするケースもあるが、独自に“改造”しすぎると伝統をおろそかにしていると見られ、白鵬のように批判を浴びる。