大谷翔平「このままでは勝てない」会見でも不満爆発! 球団揺さぶる“不穏発言”の真意

公開日: 更新日:

 二刀流が、ついにフラストレーションを爆発させた。

 エンゼルス・大谷翔平(27)が日本時間27日のマリナーズ戦にリアル二刀流で出場し、7回を1本塁打含む5安打1失点。112球を投じながらも、打線の援護に恵まれず2ケタ勝利を手にできなかった。

 打っては1安打のみと自身のバットでももり立てられなかったこともあり、ベンチでは苛立ちを隠さなかった。七回に同点弾を許した直後の攻撃で9番フレッチャーが一邪飛に倒れると、自分に打席が回ってこなかった悔しさもあるのかどうか、バットを叩き付けて怒りを爆発させた。

 1918年のベーブ・ルース以来、103年ぶりの「2ケタ勝利と2ケタ本塁打」達成を逃したばかりか、7回を1点に抑えても勝てない現状への不満があるのだろう。会見では口調こそ冷静ながらも、球団批判とも取れる発言を繰り返した。

 7年連続ポストシーズン(PS)出場を逃したチーム状況について聞かれると「(今季は)中盤までいい戦い、主力が抜けている中で我慢強く主力が来るのを待って5割付近に頑張っていたほうだとは思う。そこから主力が帰ってこないというようになって、モチベーションがズルズルいったような印象なので、このままでは勝てない(PSに進出できない)のではないか」と話した。

 チームに必要なことについては「それは自分というよりはフロントだったり、首脳陣だったりの分野だと思う」と、暗に今オフの補強を訴えた。

「球団の雰囲気は好きだが、それ以上に勝ちたい」

 今季のエンゼルスは投手、野手とも故障者が続出。大谷以外の投手は計算できず、チーム防御率4.71はリーグ12位と崩壊状態だ。野手ではマーシュ外野手(23)ら若手がメジャーに定着したとはいえ、故障で離脱したトラウト、レンドンの強打者2人を欠いた打線の迫力不足は否めない。今季のチームの惨状に黙っていられなかったのだろう。これまでチームに対する不満を口にしたことのなかったトラウトも先日、「(球団に)予算はあるので、いい選手を複数、補強して欲しい」と珍しく注文を付けたほどだ。

 大谷は「ヒリヒリするような9月を過ごしたいですし、クラブハウスの中もそういう会話であふれるような9月になるのを願っています。来年以降そうなるように頑張りたいと思います」と話したが、これは球団への揺さぶりともっぱらだ。

 大谷は今年2月に年俸調停を回避して2年約8億9000万円で契約。23年のシーズン終了後にはFA権を取得することから、米メディアの間では早くも大谷との契約延長を推す報道が目立っており、8月にはスポーツ専門局ESPN(電子版)が、その金額を5年2億5000万ドル(約275億円)と予想している。

 エ軍との契約延長に関する交渉について大谷は「現時点ではないですね」と否定。2年後のエ軍残留の可能性に関しては「ファンの人も好きですし、球団自体の雰囲気も好きではあるので、ただそれ以上に勝ちたいという気持ちの方が強いです」と話すにとどめた。

 今季、投打の二刀流で結果を残しながらも、自身の活躍がチームの勝利につながらなかった。エ軍はここ数年、補強の失敗が目立っており、昨オフに就任したペリー・ミナシアンGMは地元紙の取材に「投打ともレベルアップが必要だ」と戦力のテコ入れを図る方針を明かしている。

 トラウトが言うように、球団には効果的な補強を行うだけの豊富な資金がある。今季のような二刀流の孤軍奮闘がこれからも続くようなら、再来年のオフには大谷がFA市場に出る可能性は高い。 

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    佐々木朗希「開幕メジャー確約なし」のナゼ…識者は《朗希サイドの非常識な要求》の可能性を指摘

  2. 2

    佐々木朗希の「独りよがりの石頭」を球団OB指摘…ダルやイチローが争奪戦参戦でも説得は苦戦必至

  3. 3

    下半身醜聞の西武・源田壮亮“ウラの顔”を球団OBが暴露 《普通に合コンもしていたし、遠征先では…》

  4. 4

    佐々木朗希はロッテの「足枷」だった…いなくなってFA石川柊太の入団がもたらす“これだけのメリット”

  5. 5

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  1. 6

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 7

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 8

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  4. 9

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  5. 10

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース