さらばカマスタの星…「半価値王子」斎藤佑樹の引退に後輩が泣いた本当の理由
斎藤佑樹がついに引退する。苦労の多い野球人生だったことだろう。常に結果を求められ、結果を出せなかった。
彼の野球人生のピークは早稲田実業3年生だった。普通なら甲子園のマウンドで額の汗を拭おうともせずに力投するエースが多い中、彼は尻のポケットからハンカチを取り出して拭った。
「ハンカチ王子」と呼ばれ、高卒でプロへ進まず、早稲田大学へ進んでキャリアの大半の才能をそこで使い切り、4年遅れで日本ハムに鳴り物入りで入団した頃には球速が急速に落ち始め、ハンカチ王子が半価値王子、やがて無価値王子と言われても、「キャ~、佑ちゃぁぁん!」という一部熱狂的女性ファンに後押しされて、彼は球界の星ではなく、カマスタの星になった(日本ハムファイターズの二軍専用球場鎌ケ谷スタジアムを縮めてこう呼ぶのだ。いつかは一軍に殴り込みをカマスタめにそう呼ぶわけではない。ましてや、門限後に寮を抜け出して秘密の逢瀬でいっぱつカマスタりすることを目的にそう呼ぶわけではない、念のため)。
甲子園決勝を戦った楽天の田中将大投手も「同じ時代を共に戦ったことを誇りに思います」という丁寧なメッセージをよこした。わざわざオフに連絡を取り合う仲にもなりづらかっただろうに、依頼にはきちっと応えるのはマー君らしい。