北京五輪が海外観客受け入れ断念で失った「羽生結弦」という大収入源
大きな損失だろう。
先月29日、IOC(国際オリンピック委員会)が来年2月開幕の北京五輪で海外からの観客を受け入れず、中国国内のみの有観客開催を決めた。
平時であれば、五輪開催国や都市は莫大なインバウンド需要が見込まれる。しかし、長引く新型コロナウイルスの感染拡大で、北京も東京と同じく「五輪市場」は大幅に縮小。それに加え、中国は「大きな顧客」を失った。それは、フィギュアスケート羽生結弦(26)のファンたちだ。
中国でも人気の高い羽生だが、日本の熱狂的なファンたちは羽生に“同行”して世界各国を飛び回っている。羽生人気にあやかって、前回の平昌五輪では日本の旅行会社が観戦ツアーを企画。JTBでは「フィギュアスケート男子観戦券付きツアー」を販売した。Aカテゴリーといわれるクラスの高い席のチケット、エコノミークラスの往復航空券が付いた3泊4日・朝食付きのプランは大人1人90万8000円。Bカテゴリーのプランでも81万9000円と高額ながら、いずれも飛ぶように売れた。
国内大会もチケットは常に抽選という争奪戦。チケットが手に入らなくても現地の会場に行って外から応援するファンも珍しくない。北京の場合も、チケットが買えなかったファンが「とりあえず現地に」と集まったに違いない。ここ1年半は大会中止や渡航制限でファンたちも自粛を強いられ、北京こそは、と意気込んでいたかもしれない。ツアーを企画した日本の旅行会社もまた、大きな痛手となっている。