巨人の中田翔獲得は完全裏目 謹慎なく起用しチーム空中分解とV逸の一因に
■中田翔の謹慎なし起用も完全裏目
もうひとつ大きかったのは、日本ハムで暴力事件を起こした中田を8月20日に無償トレードで獲得し、謹慎期間を経ずに21日から起用したこと。たとえルール上は良くても、これが認められるなら、何か事件を起こしても、トレードすればチャラになるということ。そんなことはあってはならない。巨人OBとして恥ずかしくなった。一定期間、しっかり反省をさせないといけないし、果たして巨人の選手たちはどう思っていたのか。本人も戸惑っていたのではないか。
オレ、試合に出ていいのだろうか……。そんな感じで遠慮をしながらプレーしているように見えた。原監督からすれば、外国人やFAなど新戦力の補強が全滅で、昨年のパ・リーグ打点王を戦力として加えたかったのだろう。しかし、これが完全に裏目に出た。8月21日の一軍デビューから9月11日に二軍落ちする前日の試合まで、巨人は5勝8敗5分けと失速。戦力を厚くするつもりが、チームを空中分解させる補強だったのは間違いない。
3年契約最終年。「続投」の報道も出ているが、何事も引き際が肝心である。
(高橋善正/元巨人投手コーチ)