V逸巨人の投壊現象は首脳陣と投手陣のコミュニケーション不足が招いた
巨人は首位で甲子園に乗り込んだ9月3日の阪神戦から9勝24敗7分け。16日まで10連敗を喫するなど歴史的大失速で3年ぶりのV逸、23日のヤクルト戦での勝利でようやくクライマックスシリーズに滑り込んだ。巨人はなぜ惨敗したのか。バッテリー、打撃、原辰徳監督(63)の采配3部門を巨人の元コーチ3人が徹底分析した。「バッテリー編」は秦真司氏だ。
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チーム防御率は3.63でリーグ4位(10月22日現在)。これまで強みだった投手陣が今季は崩れた。
春のキャンプから「先発投手は中6日で130球を投げて、リリーフ陣の負担を減らそう」と臨んだシーズンだったが、9月に入ると、先発を5人に減らした中4日、中5日制が導入された。そのためのトレーニングをしていないため、総崩れとなった。特に戸郷や山口といった力投タイプは、直球の球威が落ち、決め球のフォークが見極められてしまう。間隔を詰めると持ち味が発揮しにくい。今は東京ドームのマウンドが硬くなっているので、投手陣の負担が大きくなっている。先発の責任イニングがはっきりしていないように見えた。中6日なら最低でも六回までは投げ切ってくれとか、中5日なら何回までとか明確に示した方が、投手は投げやすい。先発に責任を持たせた上で、後から行く投手に心と体の準備をさせて「よし行ける」と自信を持ってマウンドに送り込むことができていたか、疑問である。