オリ1位・椋木蓮“遅咲き右腕”を支えた両親の献身「僕は冷たいご飯を食べたことがない」
1年春からベンチ入りを果たし、4年になった今年6月の全日本大学野球選手権で自己最速の154キロをマーク。上位候補に浮上した。
■父にも必ず仕事に合わせて食事を用意
そんな椋木を支え続けたのは両親だ。化学メーカーの工場に勤める父・新吾さん(49)の仕事は日勤、準夜勤、夜勤の3交代制。不規則な生活の中でも、息子たちに骨身を惜しまなかった。
中学時代まで野球部に所属し、今は福岡で仕事をしている兄・舜さん(23)はこう語る。
「家からの通学時間は1時間強。7時開始の朝練に参加するためには、家を5時半に出ないといけない。自宅から最寄り駅までは自転車で30分ほどかかるので、よく父に車で送ってもらいました。父は『超』が付くほど仕事熱心です。残業する日も少なくなかった。夜勤明けでも試合があれば応援に駆け付けてくれて、何時間起きてるの? と心配になるほどでした。庭にはバッティング用のシートを作ってくれましたし、野球が未経験でも僕たちにアドバイスできるようにと、独学で勉強をしていた。今では蓮より野球の知識があるかもしれません」