エンゼルス大谷「満票MVP」は開拓者精神への評価 二刀流の捉え方は日米で大違い
今季、全米を魅了した二刀流がメジャー最高の栄誉を手にした。
エンゼルス・大谷翔平(27)が全米野球記者協会会員の全員の支持を集めて満票でア・リーグMVPを受賞。満票を得たのは2015年ナショナルズのブライス・ハーパー(現フィリーズ)以来、6年ぶり19人目。日本人選手による受賞は01年のマリナーズ・イチロー以来2人目の快挙である。
大谷は渡米1年目の18年に投げては4勝、打っては22本塁打をマークして新人王に選ばれた。だが、同年のシーズン途中に右肘にメスを入れるなど度重なる故障に泣いた。昨季は二刀流に復帰しながら、投打とも極度の不振に陥り、0勝、打率1割9分と低迷。一部米メディアから「二刀流の限界」がささやかれたが、昨季から指揮を執るジョー・マドン監督の方針で、今季は起用法に制限を設けない「リアル二刀流」が実現した。
1910年代のベーブ・ルースを最後に誰もなしえなかった二刀流を貫いたことが評価されての満票での受賞となったのは、米国の国柄を反映したものだという。
野球文化学会会長、名城大准教授の鈴村裕輔氏の話。