著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

中国女子テニス彭帥の「SNS問題」をいきなり人権問題や五輪ボイコットに結び付ける危険

公開日: 更新日:

 男女交歓の場であるテニスコートで色恋に発展することもある。ポンちゃんのケースが力関係から発したか、年の差を超えた許されぬ恋か、ハニートラップか……男と女のラブゲームは、当事者にしか分からないのだ。

 中国の女子テニスは、全仏(11年)、全豪(14年)のシングルスで優勝した李娜の出現で世界に躍り出た。その前に鄭潔・晏紫ペアが全豪、ウィンブルドンを制し、遅れてきた彭帥にはおおらかな李娜や鄭潔に比べてスキャンダラスな印象が残る。母親が出しゃばり、台湾の謝淑薇とのペア解消でゴタつき、18年にはWTAから半年間の出場停止処分も受けているが、ツアーは優等生の世界大会ではない。マッケンローやキリオスのように、むしろスキャンダルは歓迎される。怖いのは、1通のSNSを根拠に思い込みで突っ走る風潮だ。

■WTAの抗議の裏

 WTAの抗議も額面通りではない。この組織の主たる職能は選手組合の営業で、中国はWTAにとって最大の市場。莫大なツアーファイナル契約を2030年まで結ぶなど年間9大会を開催し、WTAは08年から北京にアジア太平洋本部まで設置している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…