1点を追う試合終盤に二塁で憤死…星野監督は鬼の形相で「何で無理するんや!」と
「今のプレーは間一髪だったし、ちょっとそれていたらセーフだから仕方ねえよ。あれをダメだと怒ったら、選手もランナーコーチもみんな萎縮しちゃって際どいタイミングは全部止まるようになるだろ? それが一番ダメなことなんだ」
「そう思うなら星野監督に抗議してくださいよ」
「アホ! そんなの言えるわけないだろ」
この年は他にもいろいろあった。浜松でのヤクルト戦だ。鈴木孝政さんが先発の試合でバッテリーを組んでいた。
初回から直球が走っていて三回終了まで無安打に抑えていた。すると、投手コーチに「今日は真っすぐがいいけど、ひと回りしたことだし、念のために次の回から目先を変えて変化球を多めに交ぜていこう」と耳元で言われた。「念のため? 直球が走っているんだから小細工しないで押せばいいのに」と思ったが、言う通りにした。
すると、チェンジアップを荒井幸雄にうまく拾われ、ライトスタンドに運ばれた。ベンチに戻ると、そのコーチがみんなに聞こえるような大声でこう言ったから驚いた。