世界から非難囂々でもロシアでフィギュアは“通常営業” 天才少女量産の裏に「コネと格差」
「ロシアの一流企業の多くは入社試験がありません。いわゆる“コネ”入社が中心で、血筋と人脈がものをいう。『越えられない壁』があるため、ロシアで夢を持つことは良いことではないとされています。純粋な才能で評価されるのは音楽と芸術面くらいでしょう」
それだけに子供が一流企業に入れないならスポーツで、と考える親は少なくない。幼少期からロシア国内の各地域にある「体育特殊学校」と呼ばれる専門学校へ通わせ、そこで芽が出るとモスクワ市内の育成学校に移して、さらなる英才教育を受けさせる。エテリコーチのいる「サンボ70」もそのひとつだ。
「サンボ70」の指導料は無料。貧困家庭であっても、身体能力や容姿で合格すれば“一発逆転”のチャンスがある。それゆえ入学手続きには親たちが行列をなすという。一方で“ふるい落とし”も凄まじく、2年間で200人中150人が退所させられる。
それでも“ロシアンドリーム”にかけるしかないのが実情のようだ。