新小結の豊昇龍に叔父・朝青龍ばりの気迫は生まれるか 今場所から始まるカウントダウン
初三役でどんな相撲を見せてくれるか。
13日初日の3月場所を自身初の小結で迎える豊昇龍(22)。9日は叔父さんの元横綱朝青龍から激励の電話があったことも明かした。面構えも朝青龍を彷彿させるものがあり、かつて多用していた足技などの飛び道具も封印。押してからまわしを狙う正統派の四つ相撲を磨き、最近では上位力士に当たり負けすることも少なくなっている。
何より、上位陣の壁はそこまで厚くない。横綱照ノ富士や新大関の御嶽海らはいるものの、大関は正代に元気がなく、貴景勝はケガがち。特に豊昇龍は正代には過去4戦全勝だ。朝青龍も貴乃花や武蔵丸(現武蔵川親方)ら横綱が衰える中をくぐりぬけ、チャンスをものにしている。
豊昇龍は「まずは勝ち越しを目指す」と、あくまで謙虚。それでも三役止まりで終わるとは到底思えないのは、相撲ぶりもさることながら血筋も無関係ではないだろう。
「朝青龍叔父さん」ばりの気迫
親方のひとりは「朝青龍ばりの気迫があれば大関も夢じゃない」と、こう続ける。
「もちろん、ヤンチャぶりを真似されるのは勘弁として、若手時代の朝青龍の気迫は凄かったですからね。異常とも言っていいでしょう。なにせ、稽古で負けただけでも悔し涙を流していたほど。それだけ相撲に貪欲だったからこそ、結果がついてきた。豊昇龍も今の力士の中ではガツガツしている方だし、稽古量も多い。それでも若かった頃の朝青龍には及ばない。性格もそんな叔父さんに比べたら優しい面が目立ちますからね。相撲の面でも、かつてはモンゴル出身力士が少なく、だからこそ朝青龍の素早い相撲が武器になった。今は全体的に相撲のスピードが上がっており、豊昇龍も格別素早いわけではありません」
ちなみに叔父さんは三役を通算7場所で通過。甥っ子もさらに貪欲になってほしいものだ。